2016 Super GTシリーズもいよいよ最後の戦いとなる週末を迎えた。舞台となるのは栃木県の東端、緑豊かな丘陵地帯にあるツインリンクもてぎ。その緑もこの時季は紅葉へと変わり、冬の訪れすら感じさせるなかで土曜日曜の両日で2レース、第3戦と最終第8戦が行われた。まずは第3戦。本来なら5月終盤に大分県のオートポリスで行われるはずだったが、4月に起きた熊本地震の影響で中止、延期となっていたものだ。
さてSuper GTには最終戦前はウエィトハンデが半減、最終戦は撤廃の規定がある。開幕戦優勝による40㎏のウェイトハンデ、さらには性能調整によるウェイト増に悩まされ、第2戦以降は思うような走りができなかったのを考えれば、この最終ラウンドはLEON CVSTOS AMG GT3にとってはチャンス。ここまで積み重なった48㎏のハンデも半減の24㎏とあれば、表彰台も視野に入るというものだ。
今回の公式予選は、同じ日にそれぞれ予選、決勝が行われるため通常のQ1、Q2へと進む予選方式ではなく、15分の一発勝負。そしてこの日は黒澤治樹選手が予選を担当してコースイン。天候は晴れてはいたものの、路面は前日降った雨の影響でウェットコンディション。ほとんどのマシンがレインタイヤを装着。黒澤選手もレインタイヤでアタックするが、タイムは伸びない。ここで前日語った蒲生選手の言葉が思い出される。
「ストップ＆ゴーが多いもてぎのコースレイアウトはマシンに向いていない」と。ウェイトハンデとは別に、基本の車両重量が重いFIA-GT3車両のMercedes-AMG GT3はブレーキングも、コーナーの立ち上がり加速も、残念だがライバルに遅れをとっていた。結果はまさかの13番手。この状況に黒澤選手は「決勝は我々のチームらしく、ミスなくレースするしかない」と語るのみだった。
迎えた第3戦決勝レースは、予選終了から約4時間後のスタート。セッティング変更はもちろんのこと、何をするにも時間がない状況でまずは黒澤治樹選手がステアリングを握ってスタート。「スタート直後の団子状態の中、ストレートで2台に抜かれてしまった」と、黒澤選手は順位を落としてしまい、早めの18周目にピットインして蒲生尚弥選手にバトンを渡した。蒲生選手も状況は変わらなかったものの、終盤に入ると安定したラップを刻み、上位チームのリタイヤなども重なり、最後は9位にポジションを上げてゴール。第6戦の鈴鹿ラウンドに次いで、今季3回目のポイント獲得となった。ランキング9位で、わずかながらもチャンピオン獲得の可能性を残して臨んだ第3戦だったが、この結果ランキング11位に後退し、タイトルの望みは消滅してしまった。残すは1戦。この1年の成長を見せることを胸に秘め、チームは翌日の最終第8戦に臨む。
