ROUND3
AUTOPOLIS 2017 / 05 / 20 - 212017年シリーズ第3戦の舞台は大分県のオートポリス。熊本県との県境近く、雄大な阿蘇山の外輪山に位置する自然豊かなサーキットだ。
しかしこのコースは、昨年4月に発生した熊本地震によって大きな被害を受け中止となってしまい、2年ぶりの開催。4月中旬に事前テストは実施されたものの気温、路面温度とも低く、今回とは大きく条件が違っており、短い時間でどこまでコース、路面状況に合わせたマシンに仕上げることができるか、タイヤを準備できるか、ドライバーはもちろんエンジニア、メカニックを含めたチーム力が試される1戦となった。
迎えた決勝は引き続き好天に恵まれたものの、予想に反して気温22度、路面温度31度でスタートを迎えることとなった。
スタートを担った黒澤治樹選手は好ダッシュでクラス7位に浮上したものの、その後は一進一退の苦しい展開。状況を打破するためにチームは早目のピットインを決断。
同じコンパウンドながらフレッシュなタイヤで追い上げる作戦を選び、蒲生尚弥選手に交替。その追い上げに期待がかかったが、またも不運が待ち構えていた。
蒲生選手はGT300クラスのトップ集団、しかもそこにGT500クラスが絡む混乱の中に巻き込まれてしまった。行き場をなくして思うような走りができない状況や、予定より長い周回を走ることとなったにもかかわらずマシンもタイヤも最後までパフォーマンスを発揮。
蒲生選手は徐々にポジションを上げてクラス10位でフィニッシュ。貴重な1ポイント(10位までに与えられる)を獲得した。
思い起こせば昨年、開幕戦で見事優勝を飾りながら、その後の3戦でノーポイント。これがタイトル争いから脱落した要因でもあった。
しかし今シーズンは開幕戦2位の後第2戦5位、そして10位と確実にポイントゲット。これこそがチャンピオンチームに求められる強さでもある。
さらなる飛躍を胸にチームは次戦に臨むこととなった。
黒澤治樹 「スタートは良かった。もっとポジションを上げたかったがうまくいかなかった。状況を見て早目にピットインしたが、尚弥が悪い場所に入って大きくロスしてしまった。ぎりぎりポイントは獲れたが、もっと確実にポイントを獲れるようにしないとね。今回は悪い流れのなかで最低限のことはできた。次のSUGOはいい戦いができると思います」
蒲生尚弥 「タイヤを4本換えてコースインしたがタイミングが悪く、300クラスのトップ集団、それも500クラスマシンが絡むなかに入ってしまい2、3周のあいだペースが悪かった。でもその後はトップと同じタムで走ることができたのでもったいなかったが、タイヤに関してもデータが増えたので、今後パフォーマンスを上げて行きたいですね」