REPORT

ROUND4

SUGO 2017 / 07 / 22 - 23

2017 Super GTシリーズ Round4 スポーツランドSUGO「SUGO GT300km RACE」
65 LEON×CVSTOS AMG-GT 黒澤治樹 蒲生尚弥
7月22日 公式予選  9位 / GT300クラス出走28台
7月23日 決勝レース 7位 / 81周
開幕から4戦連続入賞でポイント獲得

 東北の中核都市、仙台市の南西の山あいに位置するスポーツランドSUGOは、緑豊かな自然に囲まれたサーキットだ。

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穏やかな佇まいを見せるものの、ここで開催されるレースはいつも激しいものとなる。 中速、高速コーナーが連続するテクニカルなコースレイアウトに加え、標高差70mのアップダウンがマシンに大きな負担を強いることになり、毎年この時期に開催されるSuper GTもトラブル、アクシデントが多発する。 だからこそ、ここSUGOでの好成績は強さの証明となるわけだ。LEON CVSTOS AMG‐GTに乗る黒澤治樹選手、蒲生尚弥選手、そして全てのチームスタッフは「今年こそは」の思いを胸に夏のSUGOに乗り込んだ。

両選手ともに渾身のタイムアタック!9番手から決勝に臨むことに

 思い起こせば昨年のSUGOラウンド、決勝では不運も重なって16位に終わったが、終始苦しめられたのは開幕戦の優勝で搭載することになった40㎏のウェイトハンディだった。 アップダウンのきついSUGOは、マシンの重さがタイムに大きく影響する。それゆえLEON CVSTOS AMG‐GTは予選Q1でまさかの20番手、Q1の上位14台が進むQ2への進出も果たせなかった。
 もちろんその轍は踏まない。様々な「重さ」に対する対策も施した。まずは蒲生選手が乗り込んで予選Q1に出走。20分間のセッションも残り数分となってタイムアタック合戦が始まり目まぐるしく順位が変わる。 一時はLEON CVSTOS AMG‐GTのカーナンバー65がモニター画面トップに表示されるほどの気迫のアタックを見せ、最終的に4番手で難なくQ2進出を決め、黒澤選手にバトンを渡すことになった。
黒澤選手も蒲生選手同様に気迫のタイムアタックを決めたが、結果は9番手。 黒澤選手によれば「SPコーナーでわずかにミスをしてしまったが、やはりJAF-GTマシンが本気を出してきた結果」と言う。 ベースとなる車両最低重量がMercedes AMG GT3(1325kg)よりも85㎏から185㎏も軽いJAF-GT車両がポールポジション(25号車86MC)を筆頭に上位を独占したことからもSUGOが苦戦を強いられるコースというのがわかるもの。 しかし昨年を考えればマシン、チームの進化を感じさせる結果でもある。それはドライバーも十分に感じていた。「新しいブリヂストンタイヤのロングランテストも良かった。心配なのはトラブル、アクシデントだけ。表彰台も狙える」と黒澤選手。 蒲生選手も「決勝は天気が心配だが、雨でも晴れでも問題はない。いい結果を残したい」と、自信をのぞかせていた。

黒澤選手が序盤からトップに浮上!

 晴れでも雨でも問題はない――決勝は蒲生選手が語ったとおりの展開となった。 止んでいた雨がスタート直前に降り始め雨のレースに。だがLEON CVSTOS AMG‐GTとブリヂストンのレインタイヤがベストマッチした。 スタートを務めた黒澤治樹選手は雨足が強くなった10周目あたりから俄然ペースアップ。次々と前車を抜き去り20周目にクラストップに躍り出たのだ。
 雨が止み路面が乾き始めても黒澤選手のペースは落ちなかった。誰もが今シーズン初優勝を意識し始めた時、落とし穴が待ち受けていた。毎年アクシデントが多発するSUGO。
今年も例外ではなく、クラッシュ車両を排除するために3度もSC(セーフティカー)がコースイン。そのたびに築いた後続との差が帳消しになるばかりか、ピットインのタイミングを逸してしまったのだ。 できるだけ黒澤選手が引っ張り、路面が完全に乾いたところで蒲生選手にバトンを渡す予定だったが、SCラン中はピットインできない規定だ。やっとピットに入れたのが51周目だった。 SCランが終わった時点ですぐにピットに飛び込んだが、すでにピットインを済ませたライバルたちが後方に並んでいた。本来ならピットインのタイムロスの分だけ差が開いているはずだか、ゆっくり走るSCランのためにタイム差はほぼないに等しいものだった。 ガソリン補給、タイヤ交換を済ませ、蒲生選手がコースイン。しかし「タイヤが温まるまで時間がかかり次々に抜かれたしまった」と9位にまで後退してしまった。それでもタイヤが本来の性能を発揮し始めると蒲生選手の反撃開始だ。最後は7位に浮上してゴール。 不運のなか、開幕から4戦連続で選手権ポイントを獲得。トップとの点差は開いたもののランキング5位の座に留まった。昨年開幕戦の優勝からその後4レースでノーポイント。タイトル争いから脱落したのを思えば、今年のマシン、チームの強さがわかると言うもの。次戦でも必ず結果を残す――。そう胸に秘めドライバー、スタッフはSUGOを後にした。

DRIVER COMMENT

黒澤治樹 「タイヤのグリップも良く、クルマの調子も良かった。雨ならハンデの影響が少なくなるので行けると思っていた。ピットインはコースが確実にドライコンディションになってからと思って引っ張ったが、結果的にタイミングが悪く、運がなかった。でも今年はここまでノーポイントのレースはない。次の富士も厳しい戦いになると思うが、タイトルを視野に頑張ります」

蒲生尚弥 「ピットアウトしてまだタイヤが温まっていない状況で、すでにタイヤが温まっているクルマに次々抜かれてしまった。なかなかうまく行かないですね。でも歯車がかみ合えば優勝できる手応えは掴みました。次の富士はマシンとの相性が良くないコースですが、ランキング上位は重いハンディウェイトを搭載しているので勝負できると思います」

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